Memoに記載しました文章及び絵を纏めました。
加筆修正有り。

黒字・本文
青字・一人言

下に行くほど新しいです。

2009年12月。



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2009/12/06
夢見がち。


もう一年半は続くバイトで、顔を合わせる彼が、今日も何か破り捨てる。
ゴミ箱の上で。
両手を交互に前へ、後ろへ。

「それ、捨てちゃうのか?」

品物を店だししたその日に描いたポップを、2センチ四方くらいまで小さく小さく千切る。

「珍しく上手く描けたから。」

ビリビリ、と。躊躇い無く、容赦無く。


彼の言っている事は大半解らない。
其れは彼曰く、俺が夢で出来ているから、らしい。


「いつも夢見がちな幻想や理想論を言っている君は、きっと夢で出来てるんだ。
 夢を、心地いい夢だけを集めて、人の形にしたら、それが君なんだ。」

「だから、君は。
 僕の目が覚めたら、居なくなってしまうんだよ。
 だって君は夢そのものなんだもん。」

「どうしてだろう、想像したら」


「…悲しいよ…。」



当時の仕事中にふと思いついた話。
これ、いつまでも書き終わらない話(そればっかり)の主人公のお兄ちゃんのバイト先の話だったりする。
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2009/12/09
滑空する少女、名を   。


健やかな、名を君に。
尊厳の、命(めい)を持って。
秘められし、声をあげて。

悲しみ、痛み、喚き、咽ぶ、
笑い、喜び、歌い、手を広げ。


だって、世界を救うのは、唯一人の少女だから。


其れは気高い孤高と静寂(しじま)を何時だって恣(ほしいまま)に名乗り、
また、言葉を亡くした。
此れは序章であり最後の人間がもう一度生まれる為の、最終兵器。


この世界で唯一の少女が、高く高く滑空する!


郷愁、恋慕、鏡花水月、形単影隻、
微笑、敬愛、和顔悦色、煽情の眼(まなざし)。

統べられた、指を奪い。
人の夢を、確かなものに。
食いしばる、声をあげる。



何かしらでインスピレーションを得ても、出来上がると全然違うものになってるから、
オマージュとか僕は絶対できないんだろうなー、と思う。
オマージュ好きなのに…。
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2009/12/10
不運


涙が枯れるなんて大嘘です。

好きとか嫌いとかではなくて、貴女が私の だった事なんて無いだけです。


賢くて気立ての良い を作り上げて、私に押し付けた。

病気に気付かずに、頭のおかしい子として首を絞めた。

出来れば私だって、都合の良い で居たいんだ。

うまれた時から不出来です。
誰もが出来る事だって、何一つ出来やしない。
それが私なんです。

役立たず。ああ、そうです、貴女が目線で。
そう、言ったじゃないですか。

助けてくれないのは、もう解ってますよ。
護ってくれないのだって、知ってますよ。


もしも、選べるのであれば、私など選らばなかったでしょう。
私だったら、そうするもの。



空白には一文字入るんだよ。
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2009/12/14
作業用


いつの間にかあたしがいて。
何をどうして、どうすれば良いのか、…解っている。

早すぎるよ。
あたしもそうなるんじゃないか、そんな気がして。

あなたが言った通り、死に急いで、本当にそう。
あたしも同じように、なるんじゃないかな。

あなたが言った通り、使える所だけ切り取って。
あたしはそれと他の色々を混ぜて型に流し込まれて、出来上がり。


それの繰り返し。
なんどもなんども、繰り返される作業。
単調で大雑把で、どれも…不出来だ。



リサイクル!
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2009/12/18
御匙の診断。


何かが足りなかったんだ。
それが何か、解らないんだけど。本当だよ。
本当に僕は解らないんだ。
その何かに埋もれたくって、訳も解らず求めている。

手を。
伸ばして。
掴むように、腕を振れば。
誰かが掴んでくれないかな。 もしかしたら、その誰かを僕が掴むかもしれない。


僕には何が足りないのかな。
教科書を開いても答えが見つからない。
偉いお人のお話もお高いばかりで先が無い。

御匙には診せたくないんだ。
だって、とっても怖いんだもん。


御匙には診せたくないんだ。
だって、だって。っぼくは、ただ、何かがわからなくて。
ただ…それが、欲しいだけなんだ!



解ってるけど、解らないふり。
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2009/12/21
ジャパニーズ・ホワイト


泣き出しそうな目で僕を見た。
真夏の太陽を思い出す様に、目を細めて僕は見た。

本当は黒いウサギが欲しかったんだ。
だけど彼女の手に届いたのは白いウサギ。
目の赤い、臆病な生き物。

水を与えようとしたけど、彼女は一滴も飲まなかった。
彼女の中に乾きなんて無かったんだ。
文句も言わず、只管愛でていた。

その手に、僕は恋をした。


泣き出しそうな声で僕を呼んだ。
真夏の業火を思い出す様に、浄化されて流れる。
彼女が愛したのは何だったんだ。
本当に欲しいものの変わりに、飼い慣らされて。
何も知らずに、冷たくなった。

少しづつ慣れてきたのか、じゃれ合う仕草に。
それは彼女の手解きの甲斐が混じった証拠。
白いこの、愛らしい生き物。

自らの体温を、取り戻せなくて震えていたのに。
僕も彼女も夢に深く落ちていった。
言葉を発せず、朝日を待ったのか。

この手は、何の為にあったんだ。


泣き出しそうな目で僕を見た。
真夏の太陽を思い出す様に、目を細めて僕は見た。
誰かの所為にしたくて、僕もそうして欲しくって。
彼女は何も言わずに目を伏せた。
本当は泣き叫ぶ許しが欲しくて、喉を詰まらせた。
何も言えずに、冷たくなる。

目の赤い、脆弱な生き物。

泣き出だしそうな目を、僕は逸らした。
真夏の太陽みたいで、とてもじゃないけど。
泣き出して欲しかった、いっそ。
その方が、僕もずっと。

彼女は何を愛していたのか。
本当にそれを知っていたから。
涙に流して有耶無耶にしたかった。
全部混ぜてしまって、境界線をなくして。
都合よく、そう。

僕も泣き出してしまいたかったから!



終着点が解らなくなって、長ったらしくなったはず。
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2009/12/27
異母兄弟。


ねぇ、応えてよ。

誰かを求めるのは馬鹿らしい事なの?
でも、そんな風に言わなかった。

「兄君(にいくん)。寂しいのは私だって言ったよね。」
「…どうしたんだ?」
「言ったよね?」

こういう時、腹が違っても、兄と自分が似ている事に驚く。
でも、今はそんな事どうでもよくって。

とても悲しそうな目で、口を開く。
本当に少しだけ。

「言った。」

それだけ。


「…その通りだね。」


ああ本当に。私は、兄君の言うとおり、どうしようもない寂しがり屋。


「どうして怒らないの?」

みっとも無くすがる私が、疎ましくないのか。
汚く泣き喚いて、鬱陶しくないのか。


どうしてそんなに、酷く優しい手で触るんだろう。


「お前が泣いたら、俺は、どうにかしたいと思う。怒る理由はない。」

「…触らないでよ。」

その手だって、優しいばかりで無責任じゃないか。
そんな優しさを許容出来たなら、私はこんなに寂しくなんか無かった。

離すタイミングを逃した彼の手は、ゆっくりと頭から耳へ、目元へ、顎を伝って、とうとう名残惜しく離れていく。


謝らなければならないのに。 口脣は震えるばかりで、裾を掴みたい両手は、固く閉ざしたまま爪が食い込む。


こういう時、何時も先に口を開いて謝るのは兄君だ。


「…最後まで、優しくしてやれなくて、ごめんな。」


いつも、あの夜だって。優しいばっかりで。


「私はいつまでも、兄君を身勝手に求めてしまって、手に入らなくて、もどかしくて、嫌になるんだ!」

子供が大きな熊のぬいぐるみを欲しがるのと同じ。
都合のいい時だけ、自分の隣に空いた席を埋める為に、愛していると笑う。


「兄君の所為だ!」


ねえ、そう言ったら、また優しくするんでしょ。
今日は一日、側にいてくれるんでしょ。
さっきみたいに、優しく触れてくれるんでしょ。
私が泣いたら、慌ててどうにかしてくれるじゃない、いつだって!


「解った!俺が悪かった!…泣くなよ。どうしたら、お前は寂しくなくなるんだ?」


好きと嫌いを交互に唱えて、破り捨てる花びらみたいに。
その手を欲しがって嫌がっての繰り返し。

私はいつまで、それを続けるんだろう。

「…泣くなよ。」

でも、結果はいつでも“好き”なんだ。
子供がぬいぐるみを好きなのと一緒で。


彼が、優しいだけである事を良い事に、私は今日も彼を求める。

勝手に溢れる涙を拭いてもらって、落ち着いたトーンの声が、私の名前を何度も呼ぶのを待つ。
どうして良いか解らず、抱き寄せて頭を撫でる兄君の癖が、私は大好きだから。



この兄弟も書きたいなぁ、と思うけど、思うばかり始まらない話ばっかり。恐ろしい…。
兄は父親の本当に好きな人との間の子供で、弟は家の都合で結婚した奥さんとの子供。
でも弟は、異母兄弟の兄を大事に思っていて、我侭な自分を駄目だと思いながらも、ついつい兄に甘えちゃう。
もともと優しくて、肉親が父親と弟しか居ないのもあって、兄は弟に弱い。
兄は今はもう女性と結婚してる。
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